2010年6月11日金曜日

総ワニ革のブーツ

FENNIX 3114 moka & cream

ワニ革スニーカーFENNIX 3114をとても気に入っていただいたお客様から、3114の木型そのままで総ワニ革のブーツを作って欲しいとのご依頼をいただきました。

3114は短靴のスニーカーですので、その木型をそのままブーツ用に使うことはできません。
従って、このお客様のために3114と同型でブーツ用にした木型を新たにおこし、総ワニ革のブーツを作製することにしました。
しかし、最初からワニ革という高価な素材を使って新しい木型でブーツを作るにはリスクが高いため、まずは試作として牛革で同型のブーツをお作りしました。

こちらが、3114の木型で作った牛革ブーツです。

お客様にこの牛革ブーツをお届けし、足入れに問題がないことを確認いただいた後、ワニ革でのブーツ製作に着手しました。

さて、こちらが出来上がったワニ革ブーツです。

今回いただいたご注文の最も大きなポイントとして、このお客様のこだわりで、ワニ革の斑(フ)をできるだけ同じサイズで作って欲しいというリクエストがありました。
ワニ革は他の皮革と違い、頭部からテール部まで大小異なった形状の斑で模様が作られています。
靴やバッグといった製品になっても、専門家はその斑の形、大きさでワニ革のどの部分が使われたかが分かります。
その斑のパターンを考慮しながら目的のサイズに合わせ裁断し、綺麗な商品に仕上げるところが職人の腕のみせどころの一つです。

しかし、今回のお客様は斑のサイズをそろえるという特別なご希望をお持ちでしたので、ただでさえ高価なワニ革の特定部分だけしか使えないことになってしまいます。
結局、弊社のドレスブランドDAMIに使う最高級のワニ革のお腹の部分だけでブーツを作ることとなり、1足の靴のためにワニ革を4枚必要としました。


ご覧の通り、左右の側部、踵部、どこを見てもほとんど変わらない大きさの斑を持ったワニ革で構成されています。

大変贅沢な素材の使い方をしたために、1足の靴で小さな車が1台買える程の金額になってしまいました。
結果としては、お客様からはご希望通りと大変喜んでいただき、同じブーツをもう1足バーガンディー(ワイン色)のワニ革でお作りすることになりました。
 

お伺いしなかったのですが、こちらのお客様、このブーツを履いて行かれる先はどちらなのでしょうか?

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